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素直に謝れない人の話

社会人になると経験することになる『理不尽』の数々。

部下や施工先や発注先がミスり、その内容がどれだけアホなことだったとしても、責任者の監督不行き届きで上司へ謝罪するというのはよくあるパターンだろう。

『申し訳ありませんでした。』と、心にもない謝罪を口にする。

しかし、ミスの原因が自分自身にある場合は迷惑をかけてしまった方々へ申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、本当の『申し訳ありませんでした。』が出てくるものだ。

だが、世の中には自分がミスっても絶対に謝らない人がいる。

今回はそんなプライド超高い人間のお話である。

 

謎の『大丈夫です』

 

以前勤めていた会社のある先輩社員には、妙な癖があった。

それは『ミスをすると機嫌が悪くなる』というものだ。

いやいや!ミスしたなら機嫌も悪くなるだろ?と思うだろうが、ここでのミスをする人というのは

その先輩社員自身のミスの事なのである。

 

例えばこんなエピソードがある。

ある日その先輩社員(以下A)が遅刻した時のことだ。

始業開始時刻になったのにAが出勤して来ない。事前に休むという連絡もなかったので

心配になった私はAへ電話をした。しかしAは電話を取らない。

もしや事故か?と心配しつつ待っているとAは何事もなかったように出勤してきた。

20分ほどの遅刻だった。

『おはようございます』と声をかけるも反応なし。何やら様子がおかしい。そして機嫌が悪そうな顔をしている。

『Aさんの準備もしておきました。これが今日の分の部材です。』と、その日の仕事部材を手渡すも何も言わない。

そう、『遅刻してごめん!』とか『フォローありがとう』とかそんな言葉はない。

というか何も言葉を発さない。そしてようやく喋ったかと思うと

 

A『これさぁ(部材)ちゃんと揃ってんの?確認したの?』

 

・・・!?(マガジンマーク)

 

私はとても驚いた。

 

遅刻してきてようやく喋ったかと思えば、それは謝罪や感謝の言葉ではなく

私の仕事の準備にケチをつける言葉だったのだ。

 

遅れたAのために準備をしたことについてケチをつけるってなんぞ?

 

あっけにとられた私は

 

『ちゃんと揃ってますけど?』

 

と返すだけだった。今になって思えばキレても良かったかもしれない。

そしてその日は、終始機嫌の悪いAであった。

 

そして別の案件での出来事。

絶対に遅刻NGの仕事があった。いや、普通は遅刻自体NGなのは当たり前の話なのだが

その案件は決まった時間に必ず指定のお客様の店舗へ訪問するようにと、

元受けから特に念押しされていたのだった。

絶対にミスらないように訪問先住所をあらかじめ調べておき、1時間ほど前には

目的地周辺に到着し指定の店舗であることを確認する。

あとは訪問時間になるまで待機する。こうすることで、私を含めほかの社員もミスなく

こなしていた。

ある日、元受けから当時勤めていた会社の社長へ連絡が来る。指定の時間になっても誰も来ないが

どうなっている?とクレームが来ている。状況を確認してくれと。

クレームが来た店舗を担当していたのは・・・Aだ。

たまたま社長と行動を共にしていた私は、社長と元受け、それにAとのやり取りを

みることができたのだ。

急いでAに電話する社長。電話に出るA。

社長『A君の担当しているところからクレームが来たがどうなっている?』

A『今向かっているので大丈夫です

大丈夫です・・・?クレームになっているのに大丈夫ってどういうことだ?

てか遅刻してんじゃん・・・。私は呆れるしかなかった。

結局そのやり取りの中でAからの謝罪はなかった。

Aの失態はそれだけではなかった。

この事件があってからしばらくしての事だ。

案件で使用する部材をなくすという大問題を起こしてしまったのである。

しかも情報の入った記録媒体をだ。

 

そもそもこの記憶媒体は元受けから借りているもので、案件終了後は速やかに返却

しなければならない。それをAは紛失してしまったのだ。

社長は元受けに対して謝罪をする羽目になった。

当初、Aは無くした媒体を探していたようだが、最後にはこんな言い訳をした

案件が終わり、もういらないと思ったので処分したので大丈夫です。

もう何が『大丈夫』なのだろうか・・・私にはわからない。

借り物を勝手に処分・・・?そんな言い訳で行けると思ったのだろうか。

社長が元受けに謝罪しているのに大丈夫とは一体・・・?

 

訪問先遅刻や媒体紛失事件のあたりから、Aの仕事はいい加減になり最後には会社を辞めることになる(最終的に私も辞めたけど)

Aが仕事を止める2か月ほど前に、Aが仕事をサボっていることが判明した。

業務時間内にもかかわらず帰宅していたのだ。(もうめちゃくちゃだよ・・・)

そのことを社長に問い詰められたAが最後の放った言葉は・・・

ええそうですよ!サボってましたよ!でも何か証拠があるんですか!?

自分で認めとるやん・・・?もうそれが証拠なんじゃ・・・?

わけが分からないよ(困惑)

 

どうも後で聞いた話によると、社長だか専務だかにAが間違いを指摘されたことが

発端となり、社長だか専務だかとの関係が悪くなったようだ。

Aは自分のミスを認めなかったのだろうな。

素直に謝罪ができていたのなら、未来は変わったかもしれない。

もうかなりいい歳になったはずだが、そろそろ謝るというスキルは身に着けたのだろうか?

いや、逆に歳を重ねると無駄なプライドを取り払うことができず意固地に磨きをかけている

かもしれない。まあ割とどうでもいいけど。

 

しかし、他人のふり見てわがフリ直せという言葉もあるので

自分自身もAのようにならないよう、謙虚さを維持したいものである。